院長のつぶやき

20.11.09, 22:39

取れましたね

眼の中に入った異物の訴えでこなり眼科を
初診したBさん

一目見ただけで異物の存在が分かりました

片眼の角膜に真っ白な何かが張り付いています
大きさは3~4ミリ径くらい

「3年くらい前からあるんです」

「え~なんだろう。ちょっと診せて」

顕微鏡で見るといかにも硬そうな
石灰化した何かのように見えます

「ちょっと取ってみますか」

すぐに点眼麻酔をしました

「取るのは非常に難しくて、大変な手術になると
言われていたんですけど」

「そうかな、取れそうだけど」

顕微鏡で覗きながら眼軟膏を付けた
綿棒の先でそっと擦ってみました

「取れましたね」

「へ、本当に??」

「ほらこれ」

摘出した白い塊をBさんに見せました

「ウソみたい。こんなに簡単に取れるなんて」

「ほんとですね」

「今までの3年間は何だったのかしら?」

「何だったんでしょうね^^;」

「ものすごく嬉しい。先生ありがとう!」

「いえいえ」


ふと大昔、同じような症例に出会った記憶が
蘇って来ました

出張先の病院でのこと

小さな男の子の角膜に昆虫の硬い羽根が
張り付きめり込んでいました

瞳孔にもかかっており、弱視になって
しまっている可能性もありました

なんとか取り出さなきゃ、と思ったのですが
診察だけでも泣いて大暴れ

とても角膜に触れることはできそうにありません

しばし悩んだのち、大学の医局に相談し
指示を仰ぎました

「お前には取るのは無理だ。○○総合病院に送れ」

結局自分では何もできなかったのでした

医者になって2年目(だったかな)のことです

あの子はどうなったかなあ^^;

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