診療時間 午前9:00-12:00 午後14:30-17:30
多焦点眼内レンズのご案内
こなり眼科の多焦点眼内レンズによる白内障手術の特徴
実績のある眼科専門医が診療〜執刀まで対応
眼内レンズの豊富なラインナップから行う無縫合手術
見え方の希望に合わせた個別カウンセリング体制
豊富な症例に基づいたアフターフォロー
こなり眼科では多焦点眼内レンズを用いた白内障手術を行っています。
我が国では2007年より多焦点眼内レンズを用いた白内障手術が始まりました。当院は2009年に開始し、2010年に先進医療実施機関として東京都で18番目に厚生労働省の認可を受けて以来、15年間この手術を行って参りました。豊富な症例や経験を踏まえて、お一人お一人に最適なレンズを提案しております。
多焦点眼内レンズとは
白内障手術では濁った水晶体を取り除きます。そして水晶体の代わりに眼内に挿入するのが「眼内レンズ」です。この眼内レンズには大きく分けて「単焦点眼内レンズ」と「多焦点眼内レンズ」の2種類があります。
◆ 単焦点眼内レンズ
単焦点眼内レンズは基本的に遠方、近方など、どこか一か所の距離に焦点を合わせるレンズです。手術後に裸眼で見える範囲が限られ、それ以外の距離のものを見るときは眼鏡を使用します。遠方に合わせた場合は近用の眼鏡が、近方に合わせた場合は遠用の眼鏡が必要になります。
◆ 多焦点眼内レンズ
多焦点眼内レンズは複数の距離に焦点を合わせることができます。遠方、中間、そして近方と生活する上で必要な距離のほとんどを裸眼で見ることができるようになります。いわば「遠近両用眼鏡」の眼内レンズ版ともいえるものです。そのため術後に眼鏡が必要になる場面がほとんどなくなることが期待できます。
多焦点眼内レンズのメリット・デメリット
◆ メリット
生活の質の向上
あらゆる距離での裸眼視力を改善します。眼鏡への依存度が大きく減少します。
眼鏡のようにかけたり外したりの手間がありません。
眼鏡を紛失して探し回ることもなくなります。
突然の天災の時でも慌てて眼鏡を掛けたりコンタクトレンズをつけたりする必要もありません。
日常生活のさまざまな場面でクリアな視力を保つことができ、読書や運転などの活動がより快適になります。
具体例
・歩きながらスマホで地図を見て標識や看板も確認できる
・景色がきれいに見える
・打ったゴルフボールの行方が確認でき、スコアカードの記入もできる
・バスの行先案内が見える
・車の運転中にカーナビを確認しながら遠くの標識がはっきり見える
・パソコンの距離にかかわらず画面がよく見える
・パソコンでデスクワーク中に話しかけられても離れた相手の顔がすぐに見える
・楽器の演奏中に楽譜と指揮者の両方が見える
・レシピを見ながら鍋の様子も確認できるのでストレスなく料理ができる
・楽にスマホが見える
・老眼鏡を使わずに裁縫ができる
・老眼鏡を使わずに新聞や本が読める
◆ デメリット
順応期間
脳が新しい視覚情報を処理するためには順応期間が必要です。単焦点眼内レンズに比べて多焦点眼内レンズの見え方に慣れるまでには人によっては時間がかかる場合があります。当院の患者様の場合、ほとんどの方は手術後1週間ほどで視力が徐々に上がり、約1ヶ月で視力が安定し違和感を感じなくなります。
ただし、稀に脳が新しいレンズに順応するのに時間がかかる場合があり、中には3ヶ月ほどかかることもあります。そういう方のほとんどは80歳代という年齢によるものか、または70歳代でも外に出て人と話す機会が極端に少ないライフスタイルの方です。アクティブシニアと呼ばれるような多趣味で人との交流が多い方は、80歳代でもすぐに使いこなせる方がほとんどです。
視覚的副作用
夜間にグレア(光のにじみ)やハロー(光の輪)、スターバースト(光源から放射状に延びる光の線)が見えることがあります。慣れて気にならなくなる方が多いですが、人によってはまぶしさがいつまでも気になる場合があります。このような夜間の違和感が起こらないタイプのレンズや、まぶしさを軽減したタイプのレンズもあります。夜間の外出や運転が多い方には、違和感の出にくいレンズをお勧めします。
また、単焦点眼内レンズに比べてコントラストが低下することも知られています。コントラストとは色の濃淡を区別する力のことです。例えばベージュ地の上に書かれた白抜きの文字が見にくかったり、薄暗い美術館で解説の文字が見えにくく感じたりします。そのような場合は明るい光を当てたり、解説をスマホで撮って拡大したりするとよく見えます。
コスト
多焦点眼内レンズは保険が適用されない自費のレンズです。厚生労働省が規定する「選定療養」の対象になるため、手術費用自体は保険適用となりますが、レンズ代は全額自己負担になります。レンズ代が手術費用に含まれる単焦点眼内レンズに比べて負担は大きくなります。
結 論
多焦点眼内レンズは遠方から近方までの裸眼視力を向上させる一方で、前述したようなデメリットもあります。多焦点眼内レンズの手術を考えている方は、インターネット上に氾濫する情報を鵜吞みにせず、
眼科医と十分相談し、メリット・デメリットを十分に理解したうえで自分のライフスタイルや視覚のニーズに合った選択をすることが重要です。
眼内レンズの選び方
生活スタイルで選ぶ
日常的にどの距離での視力を重視するかでレンズを選択します。
例えば、読書や裁縫が趣味なら近方がよりよく見えるレンズ、夜間の運転が多いならグレア・ハロー・スターバーストの出にくいレンズ、乱視があるなら乱視矯正が可能なレンズ、などです。仕事の内容、趣味、生活の中で優先したいことは何かを考えた上で、ご自身の生活スタイルに一番なじむレンズを選ぶとよいでしょう。
費用で選ぶ
多焦点眼内レンズの種類により費用が異なります。一覧表を参考になさってください。
多焦点眼内レンズの見え方
当院で採用している多焦点眼内レンズの種類
多焦点眼内レンズの費用
多焦点眼内レンズに係る費用
白内障手術の費用
選定療養(全額自己負担)
医療保険で給付
◆ 手術費用
◆ 多焦点眼内レンズの場合
手術代(保険適用)+多焦点眼内レンズ代
※多焦点眼内レンズを使用する白内障手術の選定療養について
2020年から多焦点眼内レンズを用いた白内障手術は先進医療ではなく、「選定療養」の対象となりました。「選定療養」とは患者様ご自身が選択して受ける追加的な医療サービスで、その追加費用は全額自己負担となる制度です。白内障手術自体は保険の適用になりますが、多焦点眼内レンズの費用は全額自己負担になります。
詳細な説明をご希望の方はお気軽にお問い合わせください。
多焦点眼内レンズに関するよくある質問
Q
多焦点眼内レンズの手術方法は単焦点眼内レンズの手術と異なるのですか?
A
手術方法は単焦点レンズと全く同じです。レンズの素材や形状は同じなので、手術方法は変わりません。
Q
視力はすぐに良くなりますか?
A
多焦点眼内レンズで良好な視力を得るためには見え方に対する脳の順応が重要です。人によりその期間は異なり、手術後すぐに見えるようになる人もいれば術後2か月、3か月と徐々に視力が上がっていく人もいます。
Q
眼鏡は全く必要なくなりますか?
A
多焦点眼内レンズにより眼鏡への依存度は大幅に減少しますが、特定の状況(例えば非常に細かいものを見る場合など)ではメガネが必要になることもあります。
Q
医療保険は使えますか?
A
多くの保険会社で白内障手術そのものに対しては保険が下りています。しかし多焦点眼内レンズの代金に対しては保険が使えないようです。詳しくはご加入の保険会社にお問い合わせください。
Q
価格の高いレンズを使用するほどよく見えるようになるのですか?
A
そんなことはありません。それぞれのレンズで特性が異なるので自分の求める見え方に
最も適したレンズを選択することが大切です。
Q
多焦点眼内レンズは医療費控除の対象になりますか?
A
対象になります。確定申告の際に必要になりますので必ず領収書を保管しておいてください。
Q
乱視が強いのですが、多焦点眼内レンズを使えますか?
A
乱視の状況によっては乱視矯正も可能な多焦点眼内レンズ(トーリックレンズといいます)を使用することで良好な視力を得ることが可能です。詳しく調べてもらい、使えるかどうか相談してください。