眼の中に入った異物の訴えでこなり眼科を
初診したBさん
一目見ただけで異物の存在が分かりました 片眼の角膜に真っ白な何かが張り付いています 大きさは3~4ミリ径くらい 「3年くらい前からあるんです」 「え~なんだろう。ちょっと診せて」 顕微鏡で見るといかにも硬そうな 石灰化した何かのように見えます 「ちょっと取ってみますか」 すぐに点眼麻酔をしました 「取るのは非常に難しくて、大変な手術になると 言われていたんですけど」 「そうかな、取れそうだけど」 顕微鏡で覗きながら眼軟膏を付けた 綿棒の先でそっと擦ってみました 「取れましたね」 「へ、本当に??」 「ほらこれ」 摘出した白い塊をBさんに見せました 「ウソみたい。こんなに簡単に取れるなんて」 「ほんとですね」 「今までの3年間は何だったのかしら?」 「何だったんでしょうね^^;」 「ものすごく嬉しい。先生ありがとう!」 「いえいえ」
ふと大昔、同じような症例に出会った記憶が蘇って来ました 出張先の病院でのこと 小さな男の子の角膜に昆虫の硬い羽根が 張り付きめり込んでいました 瞳孔にもかかっており、弱視になってしまっている可能性もありました なんとか取り出さなきゃ、と思ったのですが 診察だけでも泣いて大暴れ とても角膜に触れることはできそうにありません しばし悩んだのち、大学の医局に相談し指示を仰ぎました 「お前には取るのは無理だ。○○総合病院に送れ」 結局自分では何もできなかったのでした 医者になって2年目(だったかな)のことです あの子はどうなったかなあ^^;
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